ドールのヘッドのメイクとアイペの違いについてこってりと説明していきます。
ざっくりと両者の違いをいうと、「ヘッドにアイホールが開いているか、いないか」です。
アイホールが開いているヘッドにはメイクで、開いていない場合にはアイペになります。
カスタムドール作りに興味があるけど、右も左もよくわからん!という人のお役にたてたら幸い!
ヘッドメイクとは
まずはヘッドメイクについて説明していきます。
ヘッド「メイク」とは、アイホールが開いているドールヘッドに施されるものです。
アイホールというのは、目の穴のこと。
なので「アイホールのあるヘッド」というのはつまり、アイホールに別途用意したアイ(眼球)を入れ込むことで、ヘッドのお顔を完成させるタイプのドールヘッドのことを指します。
ドールアイは自分で作ることもできるよ。
作るにはUVレジンを使うよ。
ヘッドのサイズは関係ない
アイホールのあるヘッドのお顔を描くことを「ヘッドメイク」といいます。
なので、ヘッドのサイズは関係ありません。
1/3サイズのヘッドでも、1/12サイズのヘッドでも、アイホールが開いているヘッドであれば全てヘッドメイク、カスタムメイクといった呼び方になります。
せっかくなので、アイホールのあるドールさんの具体例をいくつか挙げておきます。
- SDやSDM
- DD
- mini sweets doll
- シュガーカップス
などなど。
1/3などの大きめなサイズのヘッドにはアイホールの空いたヘッドが多い傾向にありますが、1/6や1/12サイズのヘッドにもアイホールの空いているヘッドはあります。
ヘッドメイクの特徴
ヘッドメイクの特徴をざっくりと挙げるとこんな感じになります。
ヘッド「メイク」の特徴
- ヘッドにアイホール(目の穴)が開いている
- 実際に人にメイクを施すような感覚で行える
- 目には別途でアイを入れる必要がある
- 視線の向きや目の色をいつでも変えられる
- 目の形・位置などがある程度決まっている
- パテ盛りなどで目の形を変えることもできる
一言にまとめると、本当にメイクを行うような感覚でメイクを行えるのが最大の特徴です。
また、アイペとは違い、視線の向きや目の色、目の雰囲気などをメイク後も好きな時に変更できるのも特徴です。
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
アイホールをガイドにメイクができる
ヘッドメイクでは、ヘッドにアイホールが開いているので、アイホールの形をガイド・目安としてメイクを施していくことになります。
ですので、絵を描くのが苦手な場合などでも、アイペに比べていい感じにお顔が仕上がる可能性が高いのがヘッドメイクの特徴です。
また、アイホールが開いていて、なおかつ鼻や唇の造形がしっかりとしているヘッドであれば、それこそ本当に顔にメイクを施す感覚でメイクをしていくことになります。
例えばリップにグロスを塗ったり、チークを顔全体に薄くなじませたりなどなど。
ヘッド「メイク」といわれるゆえんだね。
アイホールをはじめ、鼻や唇などの造形がはっきりとしているタイプのヘッドでは、自分でお顔のパーツの位置や大きさなどのバランスを0から定める必要がありません。
そういった点では、アイペイントと比べてヘッドメイクの方がより気軽に手を出しやすいとも言えます。
目の形がある程度決まっている
アイホールの開いているヘッドは、自分で瞳の部分を描く必要がありません。
しかしそれは裏を返せば、目の形がアイホールによってある程度決められてしまっているということにもなります。
アイホールの位置によっても、大人っぽいヘッドなのか、幼い顔つきのヘッドなのか、ある程度決まってきてしまいます。
つまり、お店でのヘッド選びの時点で、ある程度ドールさんのお顔のイメージが固まっている必要があるということです。
例えば、幼いお顔にしたいのに、お姉さんのような美形タイプの造形のヘッドが手元にあっても、そこから方向性を変えるのはなかなか難しいものがあります。
「アイホールがある」という特徴柄、以下のようなことをしたい場合には、アイホールのあいたヘッドは適さないかもしれません。
- 目の形や位置を自分の好きなようにしたい!
- 左右非対称の目にしたい!
- 片目だけ閉じさせて、ウィンクさせたい!
こういったことをしたい場合には、アイホールのあいていないヘッドを選ぶか、アイホールのあるヘッドにパテ盛りなどを行ってヘッドに加工を施すかになります。
パテ盛りで加工する手もある
アイホールが開いているヘッドでも、好みの目の形にしたい!という場合にはパテ盛りで加工をするという手段もあります。
パテ盛りというのは、粘土のような心地の「パテ」というものをヘッドに盛り付けることで、ヘッドの造形に手を加えるというものです。
パテ盛りには、パテやヤスリなどが必要になります。
パテ盛りをすることでできることの一例を挙げるとこんな感じ。
- 左右非対称の目にできる
- ツリ目・たれ目具合を好みに調整する
- アニメ・漫画キャラの特徴的な目の形を完全再現する
- 舌(ベロ)を追加できる
- エルフ耳や人魚の耳などを作る
大まかな流れとしては、形を変えたい箇所にパテを盛り、それをヤスリなどで少しずつ削っていくことで理想のヘッドの形を作るといった流れ。
パテを持った部分の表面はヤスリがけで滑らかにする必要もありますし、削りすぎたらまたやり直しなどなど、細かな作業が必要になります。
パテ盛りは、アイホールが開いていながらも完全に自分の理想のお顔を作ることができるのが最大の特徴です。
造形から変えてしまうので、メイクではどうしようもない部分にも手を加えることができます。
ただ、一度ヘッドの造形そのものに手を加えるような加工を施してしまうと、ヘッドの販売元が提供しているメイク直しなどの対象外となるなどの制限もあります。
そういった事情も把握したうえで、あくまでも自己責任で行うようにしましょう!
別途でドールアイが必要
アイホールの開いているヘッドには、別途で「ドールアイ」というものが必要になります。
ドールアイとは、ドールさんのアイホール部分にはめ込んで使う、ドールさんの眼球のことです。
アイホールの開いているドールさんのカスタムメイクでは、メイク道具以外にもこのドールアイというものが1組は必要になります。
そして最終的には、メイクを施したヘッドにドールアイをはめ込んでお顔が完成!となるのです。
アイペイントタイプのドールさんと比べて、アイホールがあるヘッドは完成後のお顔の雰囲気に華やかさがでます。
ドールアイには、その素材柄、どうしてもアイペで描いた目には出せない独特の雰囲気があります。
また、アイホールがあることでお顔、特に目の周りに立体感が生まれることも目力がでる理由のひとつでしょう。
メイクvsアイペの完成後のお顔の雰囲気を見比べてしまうと、どうしても好みが分かれることもあるかもしれません。
視線の向きをあとから変えられる
ヘッドメイクでは、メイクはメイク、アイはアイと完全に世界が分かれているます。
そのため、メイクの雰囲気はそのままに、あとからいくらでも眼球の雰囲気を変えることができる点はヘッドメイクの大きなメリットです。
こういった特徴柄、例えば以下のようなことを好きなタイミングで行うことができます。
- 視線の向きを変える
- 目の色を変える
- 上目遣いをさせてみる
- その日の気分でオッドアイにする
アイはアイとして後からいくらでもカスタマイズをすることができるため、目に関しては基本的には後からどうとでもいじることができます。
一方で、アイペイントのドールさんで上記に挙げたことをやろうとすると、これは難しいです。
絶対できないわけではないですが……詳しくはアイペの部分で後述します。
こういった特徴から、瞳の色や雰囲気、視線の向きなどをいろいろと変えて楽しみたいという場合には、アイホールの空いているヘッド、もといヘッドメイクタイプがおすすめ。
グラスアイとレジンアイ
ドールアイの素材としては、UVレジンやグラスアイなどいろいろあります。
もちろん、UVレジンなどをもちいて自分で作ることもできます。
どういったドールアイを使うかは、どんな雰囲気のドールさんにしたいかで決めるといいです。
グラスアイとUVレジンアイの大きな違いは、以下の点。
- グラスアイ…よりリアル感のある目になる
- レジンアイ…イラストチック・アニメチックな雰囲気のある目になる
よりキャラクター感を出したい場合や、イラストやアニメチックな雰囲気のお顔にしたい場合には、UVレジンがうってつけです。
1/12サイズなどのかわいらしいサイズ感、手のひらサイズのドールさんにもUVレジン系統のアイが使われているのをよく目にします。
一方で、まるで本物の人間のような、よりリアルな雰囲気を出したドールさんにしたい場合にはグラスアイがおすすめです。
グラスアイは、本物の眼球のような瞳孔や虹彩があるのが大きな特徴。
とはいえ、ほんとうに様々なドールアイがあり一概には言えないので、実際に店頭やドールアイ作家さんの販売ページなどで探してみるといいです。
理想のアイがどうしても見つからない!という場合には、自作する手もありますし、オーダーメイド受注を受け付けているドールアイ作家さんを探してみる手もあります。
アイペとは
「アイペ」というのは、アイペイントの略称です。
アイペイントというのは、ヘッドに穴なども開いていない、のっぺらぼうのドールヘッドに自分で自ら筆などで目を描きこんでいくタイプのものです。
こちらは直接ヘッドに目を描きこむため、後から目の色や瞳の雰囲気・視線の向きを変えたいと思っても、変更を加えるのがなかなか難しいのが特徴。
でも筆さえあれば自分好みの形・位置・色・雰囲気の目を描くことができるので、アイホールが開いているヘッドよりも自由度はぐっと高いです。
ツリ目、たれ目、大人っぽい顔、子供っぽい顔などなど……。
アイペの場合は、ヘッドひとつあればなんでもござれだよ。
瞳も筆で描く
ドールヘッドのアイペは、瞳の部分も基本的には筆で描いていきます。
アイホールのあるヘッドのレジン瞳のようなキラキラ感を出すのは難しいですが、その反面、好きな目の形や大きさ、色や瞳の中のデザインなどを自分で描くことができる自由度の高さがあります。
アイペタイプのヘッドで、どうしてもその時々で視線の向きを変えたい場合は、同じヘッドを複数個用意して、視線や表情違いのヘッドを作るという手もあります。
また、アイホールのあるヘッドとちがい、植毛ヘッドが多い点も特徴のひとつです。
なので植毛ヘッドでは、ドールで遊んでいる最中にウィッグが外れたり、ズレたりするといったことがありません。
植毛ヘッドであっても、やろうと思えばウィッグを被せることもできます。
メイクとアイペの違いまとめ
ヘッドメイクとアイペの違いをざっくりとまとめるとこんな感じです。
ヘッドメイク | アイペイント | |
---|---|---|
目の付け外し | できる | できない |
ヘッドに穴が | あいている | あいていない |
目の素材 | レジンやガラスなど | 筆で直接ヘッドに描く |
メリット |
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デメリット |
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もちろん、アイホールのあるヘッドでも、ヘッドを削ったりパテ盛りという手段を使うことでいくらでもアイホールの形を変えることはできます。
できるのですが、これはこれでまた違う道具や技術が必要になってきます。
なお、ヘッドを削ったりパテ盛りをすることで、アイホールの空いたヘッドの「片目の瞼をちょっと閉じる」という表情をさせたり、アイホールの形を変えてちょっとたれ目気味にしてみたり、といったことができるようになります。
さらには、パテ盛りでベロ(舌)を追加させることもできます。
気になる人は調べてみると、いろんな表情のドールさんがいて面白いはず
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